公益財団法人日揮社会福祉財団

神奈川県内の社会福祉活動を応援しています。


福祉作文コンクール

当財団では県社会福祉協議会と県共同募金会が主催する小・中学生を対象とした県福祉作文コンクールを後援しています。
この作文コンクールは次世代を担う子供達が助け合いや思いやりの心を育み、誰もがお互いを支え合う
「ともに生きる福祉社会」が実現するように願い、毎年行われているものです。
地区審査から県1次審査を経て、県最終審査で選考された最優秀賞16編(小・中学校各8編)の内それぞれ1編を当財団理事長賞として『ふれあい賞』の名称で表彰しています。

2022年度(第45回)の表彰者と作文を紹介致します。

 

小学生の部

「わたしたちのことを」

横浜市立葛野小学校(泉区) 三年 北澤 穂乃さん

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中学生の部

「福祉の目線」
大井町立湘光中学校 三年 橋本 有楽さん

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小学生の部
「わたしたちのことを」
横浜市立葛野小学校(泉区)三年 北澤 穂乃香さん

 

 私は、しょう動をがまんできないというしょうがいがあるようです。これからけんさするので、かく実とは言えませんが、そう思われています。でもそう思われるのがきらいです。きっとしょうがいのある人たちの中には、そう思っている人がたくさんいると思います。
 『みんなとちがう。』それがいやなのです。
 私はがまんできなくて、じゅぎょう中に、よくしゃべってしまいます。その事を母に何度も、
 「やっては、いけないよ。」
と言われています。だから、やめようと一度は決心するのですが、どうしてもやめられません。時には自作の歌を歌うこともあります。
私は、母にがまんができないのは発たつしょうがいのかのうせいが高いから病院に行こうと言われました。自分でもそうだなと思いましたが、それがとてもいやで、
 「ちがう!」
と、言いはりました。でも、私は今でもがまんができません。
 ですが、そういう人を仲間外れにはしないでほしいのです。みんなと同じようにあつかってほしいのです。私もがまんできるように少しずつ努力しようと書いている今あらためて思いました。
 私たちもたくさん努力します。だから、そういう人たちがきらいな人も、私たちを見ていい所もあるのか、と思ってほしいです。
 すきになってください。
 みんなとちがうのもいいなと思ってください。
 それがふくしの心だと思います。
 私たちや、みんなとちがう人たちのことをおうえんしてください。
 私たちもがんばります。だから、
 「おねがいします」


 

中学生の部
「福祉の目線」
大井町立湘光中学校 三年 橋本 有楽さん


 八十五歳になる私の祖父は、昨年の秋、転倒して足を骨折し、今では車いすが欠かせない生活となりました。生活環境は大きく変わり、要介護認定を受け、多くの人の支援を受け、通院等の送迎、介護用品のレンタル、食事や入浴の関係での小規模多機能型居宅介護施設の利用などが始まりました。
 私が驚いたのは、これに伴って私の両親の負担が大きく増えたことです。私の両親は、「身の回りの世話、病院や施設等との調整などは自分のペースで進められるけど、病院や施設から急に判断を求める電話があるときは仕事への影響も考えながらスケジュールを見直すのが大変だ」と言っています。また「送迎と支援のサービスに、もう少し連携があると助かるのだけど、何とかならないのかな」とも言っています。
 そんな多くの人々によって支えられている祖父の日常ですが、祖父が一番残念そうにしていたのは、畑仕事ができなくなったことです。そんな姿を見かねて、私の父が、祖父の家の庭先に、小さな畑をつくりました。畳二枚ほどの広さですが、この夏には、所狭しとキュウリ、ミニトマト、エダマメなどが育ち、祖父は色彩豊かな小さな畑を見ながら、満足そうな表情を浮かべていました。通院、通所といった、日々の決まった生活の中で、野菜の世話をしているときは、目を輝かせながら楽しそうにしています。
 ある夏の日、祖父が庭先での草刈り中に、鎌で手の指を切るという出来事がありました。祖父からすれば、農作業中でのよくある出来事ですが、熱中症も心配される日差しの中、庭先とはいえ、一人での草刈り中の怪我であったため家族や病院、施設は大慌てです。
 一人のときに、周囲が思ってもいないような行動が続くと、安心・安全の面から、それぞれの立場・責任で、その行動を制止しようとなってきます。本人の安全を思っての行動ではあるのですが、安心・安全を優先しようとすればするほど、祖父の行動の自由は制約されていき、結果、「あれもダメ、これもダメばかりじゃないか」というやりとりが増えるなど、お互いに感情が表に出てきて関係もぎくしゃくしてきました。「本人がやりたいこと」と「周囲が安全を確保したいこと」が、寄り添おうとすればするほど、ぶつかり合ってしまうのです。
 また、祖父は杖を使用するようにもなりましたが、現在は、そのほかにも、周囲からたくさんの「転ばぬ先の杖」を持たせられているような状況です。「何かあったら大変」ということから、それを避けるため、周囲からたくさんの「制約」という名の杖を持たせられてしまうのです。安心・安全のためとはいえ、「相手の目線に寄り添った対応」となっているのだろうかと思うときもあります。
 辞書で「福祉」という言葉を調べてみると、「人を幸せにすること」や「よりよく生きること」と説明がされています。
 福祉の制度やサービスは、本来、人々の生活をより良くするためにあるものです。その制度を考えたりする人が、どれだけ使う人の目線に寄り添えるかによって、利便性も大きく変わってくると思います。
 小さな子ども相手に、親が腰を下ろして子どもの目線に合わせ、話しかける姿を目にすることがあります。
 「福祉の目線」も、制度の数だけ、目線が存在し、さらに「当事者の目線」と「支援者の目線」といったように、立場による目線もあるのです。
 「福祉の目線」は、相手の目線に合わせて支援する側で調節することができるものです。
 一人ひとりの見つめる方向が変わってくれば、「社会の目線」も、きっとより良い方向に向かっていくのではないでしょうか。

 


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